2017
05.24

屋根工事・その5 (blog,499p)

Category: 村の家にて
今回の工事に使われる瓦の実物サンプルをぼくが受け取った後でしたが工務店の社長さんが瓦製造会社が発行しているカタログを届けてくれましたので、実物を見ながらカタログを隅から隅までよく読んでこの瓦について予備知識を得ていました。

        瓦材料・1
それによるとこの瓦の最大の特徴は「軽くて丈夫なこと」というものでした。
材質としてはこの現代瓦もいわゆる伝統瓦である和瓦(日本瓦)と同じ『焼き物』(窯業瓦)なのですが、実際に触ってみると普通に言う『陶器』とは少し感じが違ってどういう例えがいいかうまく表せませんが、ギューッと圧縮したスレートのような手触りと軽さがあります。(それでいて表面はちゃんとした瓦の感じそのまま)

そのために一度にたくさん運搬が可能なようです。瓦を積載して梯子に沿ってモーターで屋根へ運ばれる枚数も20枚かそれ以上ありました。(このメーカーの現代瓦1枚には昔の瓦2枚分が成形されているので仕上がり枚数として40枚分以上になる。)

        瓦材料・2
プロの屋根職人さんは大変手際が良くて効率的に仕事を進めて行きました。
ぼくは時々職人さんの邪魔にならないように屋根の上まで登って行ったりしながらいつものようにたくさんのデジカメ写真を撮って記録して行きました。

        瓦材料・3
何といっても割れ難い瓦で1枚で2枚分葺けること、昔の瓦より軽いし固定の仕方も昔の瓦は泥土や粘土で留めていたのが今はネジや釘で簡単にしっかり止められるので作業が楽になったことなど、現場の職人さんにとっても労働と危険が少しでも軽減されていればいいなと思います。
       瓦材料・5
この家はけっして巨大ではありませんがそれでも割合大きめの古い日本家屋の大屋根ですからそれ相当の面積はあります。
その屋根の片面だけでしたがこの日一日でほぼ葺き終わるまで作業は進みました。
あのデコボコだった屋根板の表面も、上手に瓦を葺いてくれてあまりひどい凹凸感は目立たなくなりました。

ただぼくにはちょっと気になるところがありました。
それはこの上と下の写真に写っている通り、瓦の一番下に当る部分(軒先部分)下部がまるで波型の穴が開いているような状態のままになっていることでした。
これではネズミのような小動物やスズメバチや小鳥などが簡単に出入りできて営巣もできるのではないかと心配になりました。(当初の出来上がり予測では軒先瓦の下部分には同じ材質の充填パーツがあるのではないかと思っていた。)

        瓦材料・6
なんだかどうもせっかくの瓦材が軒先が薄っぺらくて実際に瓦の下に隙間が見えるのはデザイン的にも実用的にもあまり面白くない状態ではないかと悶々としましたが、この日はそのことを直接職人さんや工務店に訊いてみることもしませんでした。

      瓦材料・7
ほぼ葺き上がった屋根を矯めつ眇めつ眺めてみたのですが、やはり何となく大屋根部分の一番軒先部分が軽い感じがしていました。
そしてやっぱりこの仕上げの仕方以外の工法があったはずではないかということを職人さんか工務店にお尋ねした方が後顧の憂いを残さないのではないかと考えていましたが翌日は雨になり、工事は順延となりました。

 ( 2017・5/19 記、5/24,up )
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2017
05.21

屋根工事・その4 (blog,498p)

Category: 村の家にて
昔の伝統和瓦葺きであれば屋根の野地板と杉皮などの上に泥土を厚く載せてその上へ焼き物の重い瓦を一枚づつ下の方から頂上に重ねて葺いてゆくのが屋根工事の基本形式(工法)でした。
しかし昨今では屋根葺き材料はいわゆる日本瓦(和瓦)の古風な造りは激減していて、すでに昔ながらの瓦屋根を仕上げることができる技術のある職人さんも老齢化したり減ってしまっているそうです。(とくに阪神淡路大震災で地震の揺れで重い瓦と土の屋根が崩れて家が潰された事例が多かったことから伝統瓦屋根は全国的に敬遠されるようになったといわれている。)

いくつかの工務店さんの話では一般の新築家屋で昔ながらの泥土を置いて防水断熱を図る伝統瓦屋根は今ではほとんど希望されることがないということで、そのような屋根工事はかえって日程も長引くし工賃、工事代金もかなり高い仕事になると聞かされました。

    大屋根下拵え・1
最近では一見、伝統的和瓦葺きに見える屋根も今様の建材と施工方法で仕上がっている家が多いらしいです。
そして今回ぼくたちの村の家も現代瓦と施工方法で葺き替えることになったというわけです。
その結果、屋根に乗せる泥土はなくなり、雨漏りと暑さ寒さの外気温変化に対処する『防水断熱シート』を張った上に横一文字に垂木に当る算木(材質は木ではなくてプラスチック)を打ち揃えて行って、その上から直接現代瓦をネジや釘で止めて行くことになりました。

         大屋根下拵え・2
今回の工事に際して最初の古い瓦屋根を解体撤去してくれた職人さんたちや下拵えをしてくれた大工さんたちからも聞いたのですが、こういう古い建物では屋根の斜面、表面が平らに揃っていることはなくて大体あちこちデコボコしているものだということでしたが、この家もまさにその通り、あちこちデコボコの屋根表面でした。(一番上の写真を見るとそのデコボコがよく分かる。)

作業は進んで斜面全体に算木が打たれた後、寸法取りに従って最初の瓦が仮置きされました。
               ↓    ↓
      大屋根下拵え・3
この瓦の見本を初めて見たのが3月下旬でしたがちょっと驚きでした。
というのは下の写真の通り、この瓦は2枚で一個体になっています。一枚当たりの表面積も昔の和瓦に比べると30%以上大きいし、上下の重なり部分も昔の泥土で整えた瓦と比べるとずっと狭くてその結果、全体に葺いて並べた時にはおよそ50%位一枚当たりの露出表面積が大きくなるのです。
         大屋根下拵え・4
瓦の厚さは昔の瓦(写真の下の2枚)も現代瓦(上の2枚一個体の分)も大体同じ位ですが重さは現代瓦一個体の方が伝統瓦2枚よりもかなり軽く感じました。
それに何といっても泥土を敷き詰めることがなくなった分さらに屋根の構造材が受ける重みは軽減化されますから(12ミリ厚の構造用合板を大屋根全体に張った重みを差し引きしても)多分ほぼ半分までは屋根全体の重みが減るのではないかなあと思って観ていました。

 ( 2017・5/18 記、5/21,up )
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2017
05.18

屋根工事・その3 (blog,497p)

Category: 村の家にて
この前の回のブログ(5月14日付=496p)で『柿の木の宿木』のことを書いて予約投稿してから5月9日に村の家へ出かけて、昨日17日に日付が変わってから町の家へ帰宅するまでちょうど一週間、村の家に滞在してきました。

帰ると家人からブログに書いた『宿り木の風蘭』について、この場合『着床植物』というべきで【宿り木】というものは植物分類学上、別に存在するということを指摘されました。(ぼくの相棒はこういう博物的なことが好きで本も読んでいるし野歩きも繰り返しているし田舎育ちのぼくよりずっと物識りなので時々いろいろなことを教えられている。)
それでネット検索などで読んでみて「なるほど」と納得したので前回のブログの写真の『風蘭』は【宿り木ではなくて着床植物です】と訂正します。

さて、ここからは村の家で進んでいる屋根の瓦の葺き替え工事の模様をご報告します。

     屋根瓦届く・1
今回到着した9日にはちょうど新しい現代瓦が資材として搬入されてあって、屋根工事の職人さんが構造材をトラックに積んできて作業を開始するところでした。

       屋根瓦届く・2
このトラックに載っている構造材はプラスチック製の(昔ならば木材だった)角材で垂木に相当する部材です。

これを屋根の上に瓦の縦寸法に合わせて横一段分づつ打ち付けて行くわけです。
お天気が良ければプロの職人さんにとってはそれほど困難な工程ではないそうですが、今月に入ってから雨がよく降るようになってきているので屋根の防水断熱シートが雨で濡れるとツルツルと滑って大変危険な状態になるという話でした。

     屋根瓦届く・3
実際この日も作業途中まで進んだ段階で雨になって一区切りしたところで作業中断を余儀なくされていました。
家の建物は古い平屋建てですから工事中の大屋根の天辺まで登ってもたぶん高さは6メートル弱位なので高所恐怖症の人でなければ登るだけなら登れると思います。(ぼくも今回、何度か大屋根の途中まで行って工事の進行状況を見たり上から写真を撮ったりしている。)

          屋根瓦届く・4
とはいえこうした場所には全く不慣れで危険なうえ、最初の段階で屋根の古い瓦を解体撤去に来てくれた職人さんたちや翌日骨組みだけに剥がされた野地板の上に構造用合板を張ってくれた大工さんたちや、今回仕上げの屋根葺きをしてくれる職人さんのように身軽に屋根の上を動き回るわけにはゆきませんし、第一みんなの作業の邪魔になるのは慎んでいます。

ということでぼくは天辺までは登りません。大屋根の軒の少し上まで行くだけです。
それから作業する人が誰もいないぼく独りきりの時には庇部分(今回は瓦葺き替えを行わない部分、写真の職人さんが立っているところ)までしか上がりません。

 ( 2017・5/18 )
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2017
05.14

柿の木の宿木 (blog,496p)

Category: 村の家にて
屋根工事の最初にやって来て瓦を剥がして泥土を除去して古い屋根板である杉皮を剥がすところまでの作業をしてくれた職人さんたちの中に、一人植物の好きな人がいました。

その人が休憩時間にぼくに「あの柿の木の幹に立派なフーランが育っていますね」と言いました。
ぼくはフーランという植物名は聞いたような気もするし聞いたことがなかったような気もしてそれは何ですか?と訊き返しました。

するとその人が「あれですよ、ほら!」と言って指差したのがこの宿木(やどりぎ=寄生植物)でした。

         柿の木の風蘭・1
もちろん、ぼくはこの家を譲り受けた時からこの宿木の存在には気付いていて(ほかの木にもある)むしろあまりこの宿木が増殖しすぎると本体の木を痛めるのですっきり取り剥がすべきだろうかなあと思ったりしていました。

ただ、この場所の柿の木については、出入り口にあって枝が大きく道の上に被さって伸びてきて、しかもその枝に毎年たくさんの大きい渋柿が生ってそれが秋になると次々通路上に落下するので、便宜上今年はかなり大きい剪定をしてしまおうかと考えていたところでした。

それで職人さんにその話をして「もしお持ち帰りになってご自宅で育てるのでしたらお好きなだけ剥がして持って行ってください」と伝えると「いいんですか?それじゃ少し貰って帰ります。」ということで喜んで持ち帰られました。

       柿の木の風蘭・2
その職人さんの話をお聞きしたところでは、このフーランという名前は有名で庭木や箱庭好きの園芸趣味がある人たちにはかなり人気がある植物なのだそうです。(買おうとすると結構高いんですよね、とも言っていた。)
それと、ツバキなどにも着床するけれど幹の表面にヒビ割れができたり皮が布状態になる木の方が育ちがいいのだとも言っていました。

フーランは漢字では『風蘭』と書くようです。ロマンチックな感じですね。

春?と9月?の夕方に、白い小さい花が咲いて、その夕方のひと時だけとても良い匂いがするからぜひ楽しんでみたらどうですか?と教えてくれたので気が付いたら近くへ寄って見ようと思います。
もうあれから11日目になりましたが、職人さんが持ち帰ったフーランはうまくどこかに根付いているでしょうかね?

 ( 2017・5/8 記、5/14,up )
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2017
05.11

古い屋根瓦 (blog,495p)

Category: 村の家にて
先月の27日に取り外された村の家の屋根はおそらく80年以上、もしかしたら100年間前後の長い年月、かつてこの家を作り暮らしていた人々の日々の営みを雨や日照りや風雪から守って支えてきたことでしょう。

どっしりとした重い伝統のある和瓦(日本瓦)が葺かれて積み上げられた美しいラインとシルエットの素晴らしい屋根でしたが、もうこの姿をこの場所で見ることはできません。

 屋根瓦・1
この村で暮らそうと決意したぼくたちには、この重い古い屋根を新たに葺き替えて元の建物の構造と姿を全てそのまま保存、再生する経済力はありませんでしたので(雨漏りのする古い屋根を葺き替えるにあたって)構造が簡単で今後一定の年限にわたって補修工事や葺き替え工事をしなくても暮らせるような方法を模索した結果、今度の屋根工事になりました。

       屋根瓦・2
家の一番中心になる部分を広く高く覆っているこの屋根を『大屋根』といいますね。
そのちょうど背骨に当る部分が『棟』です。棟には8段ほど厚く高く『棟瓦』が積まれ、その棟の両端に大きい見張り瓦がどーんと構えて辺りを睥睨しています。
これがいわゆる『鬼瓦』ですが、方角が鬼門(北東=艮・うしとら)に向いている場合は邪気を避けるために実際に鬼の形をした陶器の人形や鬼の顔をレリーフした瓦を置いた家の中心も、鬼門の方角を正面にしていなければ多くの場合には『火除けのお呪い(まじない)』として『水』をモチーフにデザインした瓦が置かれるのが日本列島の広い範囲で長年培われてきた伝統、習慣のようです。
     屋根瓦・4
              ↑             ↑
        (棟に上がっていた時はこんなに大きいと思えなかった鬼瓦)

昔も今も人間が暮らす住宅にとって、中でも特に日本の伝統建築様式である木造住宅にとっては普段の暮らしの中で最も恐ろしい出来事は火事だったに違いありません。

大屋根の棟が真っ直ぐ東西を向いて建てられているこの家でも、棟の鬼瓦にも庇屋根の鬼瓦にも鬼の姿はなくて『水』の字がデザインされ、打ち寄せる波が浮き彫り風に造形された鬼瓦が備えられていました。
もうたぶん二度とこの瓦が屋根の棟に飾られることはないでしょうが、ぼくは今後『瓦』としてではなくても造形的なオブジェとして家の敷地内のどこかに大切に保管したり再利用することで日本建築文化の民俗としての存在を庶民的に素朴に記憶したいと思っています。

     屋根瓦・3
工務店の社長さんが現場の職人さんたちに頼んで、ある程度きれいで(今後何年かの間に)もしも庇屋根に補修が必要になった場合に再利用できる分として数十枚のいろいろな部分(形)の大屋根瓦を残してもらってくれました。(これを片付けてどこかに纏めておくのがまた一思案だけれど、)
        屋根瓦・6
日本瓦は結構重たいものです。この瓦を安定的に屋根に貼って行くために屋根板(野地板と杉皮)の上に厚く泥土が充填されていましたから、屋根の構造材が受けている荷重は相当なものだと思われます。(もしかしたら1平米当り100kgをかるく超えるのではなかろうか?)

        屋根瓦・5
それにしても人は昔から絶えず生活に根差した技術や道具を工夫し続けていて、屋根の歴史や素材についてだけでも世界中でいったいどれほどたくさんの形や葺き方や道具があることでしょうかね。

さて次回かその次の回のブログ記事は、新しい軽量頑健な現代瓦の屋根が葺かれてゆく工程のレポになるかと思います。
ただしもしも工事が始まるまでに村の家へ行けなかったら屋根葺きリペアー工事の全工程を記録することができないかもしれません。

 ( 2017・5/11,up )
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