2017
05.11

古い屋根瓦 (blog,495p)

Category: 村の家にて
先月の27日に取り外された村の家の屋根はおそらく80年以上、もしかしたら100年間前後の長い年月、かつてこの家を作り暮らしていた人々の日々の営みを雨や日照りや風雪から守って支えてきたことでしょう。

どっしりとした重い伝統のある和瓦(日本瓦)が葺かれて積み上げられた美しいラインとシルエットの素晴らしい屋根でしたが、もうこの姿をこの場所で見ることはできません。

 屋根瓦・1
この村で暮らそうと決意したぼくたちには、この重い古い屋根を新たに葺き替えて元の建物の構造と姿を全てそのまま保存、再生する経済力はありませんでしたので(雨漏りのする古い屋根を葺き替えるにあたって)構造が簡単で今後一定の年限にわたって補修工事や葺き替え工事をしなくても暮らせるような方法を模索した結果、今度の屋根工事になりました。

       屋根瓦・2
家の一番中心になる部分を広く高く覆っているこの屋根を『大屋根』といいますね。
そのちょうど背骨に当る部分が『棟』です。棟には8段ほど厚く高く『棟瓦』が積まれ、その棟の両端に大きい見張り瓦がどーんと構えて辺りを睥睨しています。
これがいわゆる『鬼瓦』ですが、方角が鬼門(北東=艮・うしとら)に向いている場合は邪気を避けるために実際に鬼の形をした陶器の人形や鬼の顔をレリーフした瓦を置いた家の中心も、鬼門の方角を正面にしていなければ多くの場合には『火除けのお呪い(まじない)』として『水』をモチーフにデザインした瓦が置かれるのが日本列島の広い範囲で長年培われてきた伝統、習慣のようです。
     屋根瓦・4
              ↑             ↑
        (棟に上がっていた時はこんなに大きいと思えなかった鬼瓦)

昔も今も人間が暮らす住宅にとって、中でも特に日本の伝統建築様式である木造住宅にとっては普段の暮らしの中で最も恐ろしい出来事は火事だったに違いありません。

大屋根の棟が真っ直ぐ東西を向いて建てられているこの家でも、棟の鬼瓦にも庇屋根の鬼瓦にも鬼の姿はなくて『水』の字がデザインされ、打ち寄せる波が浮き彫り風に造形された鬼瓦が備えられていました。
もうたぶん二度とこの瓦が屋根の棟に飾られることはないでしょうが、ぼくは今後『瓦』としてではなくても造形的なオブジェとして家の敷地内のどこかに大切に保管したり再利用することで日本建築文化の民俗としての存在を庶民的に素朴に記憶したいと思っています。

     屋根瓦・3
工務店の社長さんが現場の職人さんたちに頼んで、ある程度きれいで(今後何年かの間に)もしも庇屋根に補修が必要になった場合に再利用できる分として数十枚のいろいろな部分(形)の大屋根瓦を残してもらってくれました。(これを片付けてどこかに纏めておくのがまた一思案だけれど、)
        屋根瓦・6
日本瓦は結構重たいものです。この瓦を安定的に屋根に貼って行くために屋根板(野地板と杉皮)の上に厚く泥土が充填されていましたから、屋根の構造材が受けている荷重は相当なものだと思われます。(もしかしたら1平米当り100kgをかるく超えるのではなかろうか?)

        屋根瓦・5
それにしても人は昔から絶えず生活に根差した技術や道具を工夫し続けていて、屋根の歴史や素材についてだけでも世界中でいったいどれほどたくさんの形や葺き方や道具があることでしょうかね。

さて次回かその次の回のブログ記事は、新しい軽量頑健な現代瓦の屋根が葺かれてゆく工程のレポになるかと思います。
ただしもしも工事が始まるまでに村の家へ行けなかったら屋根葺きリペアー工事の全工程を記録することができないかもしれません。

 ( 2017・5/11,up )
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