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2017
11.21

『ねむの木村』へ (blog,560p)

前回のブログでビジネスホテルに宿泊した翌日、行ってみたかった2,3の場所を訪ねる予定だったことを書きました。
その一つが下の写真の建物(美術館)に象徴される施設のあるエリアでした。

       2017掛川・4
そこは『ねむの木学園』と言う障がいを持つ子どもたちを受け入れて寝起きを共にしながら育て生活する学校を中心とした障碍者自立支援施設です。(現在は子供から老人まで何十人もの障がいを持つ人々が暮らしているとのことだった)

この施設『ねむの木村』の創立者は歌手で女優の宮城まり子さんで、今から49年前に最初はぼくの郷里の隣町にある海辺の砂丘地帯の一角に同名の施設を建設して長い間自立支援施設園長として奮闘してこられました。
あれはたぶん30年位前のいつだったか、ぼくは水上勉氏(当時は健在だった小説家)と宮城さんの対談を読んだか聞いたかして、ぜひ一度見学に行きたいと思ったのでした。

          2017掛川・3
  (上は美術館の壁にもかけられているまり子氏の写真と決意宣言。ぼくは今回この
   写真と文言に触れただけで不覚にも目頭が熱くなってしまった)

        2017掛川・6
美術館の中はシンプルですがとても暖かい印象が漂う展示形態とスペースで、障がいを持って生きる子供たちが描いたたくさんの絵が展示され、宮城まり子さんご自身のガラス造形作品なども控えめに並べられていました。

 2017掛川・7
ここに載せた絵はその展示作品の中のものですが、残念ながら直接の写真撮影はご遠慮くださいということだったので『画集』からの自宅コピー転写です。

     2017掛川・8
美術館は二階建ての二階スペースに在って、一階はミュージアムショップでした。
ぼくはそのショップで家族へのお土産と後でもう一度ゆっくり展示作品を思い出せるように『画集と本とイラストマグネット』(上の写真)を購入して、その後、同じ『ねむの木村』内にあるもう一つの建物を見学に行きました。

それがこの下に載せてある2枚の写真の『吉行淳之介文学館』です。
吉行淳之介は戦後最初のスター小説家たちの代表的な一人で、生涯身体的な病弱体質と若い頃の手術が原因とされた病気に苦しめられながら命が続く限り創作活動をつづけた自由律の作品を書く作家でした。(ぼくは彼が現役だった青年時代から雑誌掲載作品や単行本や文庫本、ほかの作家たちとの短編アンソロジーなど、10冊前後の吉行本を読んできた)

     2017掛川・9
東京の作家・吉行淳之介を記念する『文学館』がなぜこの『ねむの木村』のメインストリート(と言ってもかろうじて自動車がすれ違える程度の山中の道)沿いに建っているのかと言えば、それは宮城まり子さんと吉行淳之介氏は昭和30年頃から吉行氏が逝去するまでずっと長年連れ添われた「実際上のご夫婦」(吉行淳之介には法律上の妻も子供もいる)だったからです。

建物内には吉行作品に関連した本や絵や原稿や写真や所持品などの一部が展示されていて、とくに前期、中期の作家活動に関わるリアリティーをぼくは感じました。

     2017掛川・10
しかし何と言ってもそれらの資料の中でひときわ温かい光彩を放っているのは若い日に吉行淳之介が宮城まり子に宛てて書き送ったラブレターの数々が、ある時代の時系列で展示されているコーナーでした。
ラブレターと言ってもただ「愛しい人よ」とか「愛しています」とか「好きだ好きだ」と書きなぐられた手紙ではなくて人気歌手で女優である宮城まり子という若い女性に対する「彼女の人間的な独立と自由」を尊重しながら尚且つ自分の我儘な希望を織り込んだ「作家になった青年」のナイーブな文面と文言でした。(ぼくが初めて吉行作品を読むより15年以上前の時代の手紙ということになるだろうか?)
ただしこの二人の絆も、一般的に言えば妻子ある作家と女優でもある有名歌手との長年の不倫関係という生臭い扱いにならざるを得ない一面も持っていることになります。

『ねむの木美術館』も『吉行淳之介文学館』も、ぼくがこの町で生まれて育ち、高校を卒業して上京して行くまではぼくの郷里の訪ねるべき場所ではありませんでした。(つまり存在していなかった)時代は変わり歴史は積み重なって行くのですね。

この日、ぼくはもう一、二ヵ所、古い記憶に残っている場所を訪ねて車を走らせました。(以下、次回へ続く)

( 2017・11/21 )
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dot 2017.11.21 19:04 | 編集
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